経理経験者が転職するとき、どの転職エージェントを使うべきか迷う人は多いと思います。
経理・会計分野に強い転職エージェントだけでも複数あり、公式サイトを見ただけでは、具体的な違いが分かりにくいからです。
筆者は、今回紹介するMS-Japan、CPASSキャリア、SACT、レックスアドバイザーズ、ジャスネットキャリアの5社を実際に利用しました。
先に結論を書くと、「どの転職エージェントが絶対に1位か」を決める必要はありません。筆者の利用経験では、同じ経歴と希望条件を伝えても、エージェントごとに紹介される企業やポジションがかなり違いました。
そのため、経理転職では目的の異なる2〜3社を併用するのがおすすめです。方向性がまだ固まっていない経理経験者であれば、まずはMS-Japanを軸にしつつ、希望に合った専門エージェントをもう1〜2社加えると比較しやすいと考えています。
この記事では、各社の公式情報から分かる特徴と、筆者が実際に使って感じた違いを分けて解説します。
※サービス内容や求人状況は変わる可能性があります。登録前には各社の公式サイトで最新情報をご確認ください。
経理におすすめの転職エージェント5社比較
| 転職エージェント | 主な対象・特徴 | 向いている人 | 筆者が利用した印象 |
|---|---|---|---|
| MS-Japan | 経理・財務を含む管理部門と士業に特化 | まず多くの経理求人を見たい人 | 求人の選択肢が多い一方、希望と合わない求人も含まれていた |
| CPASSキャリア | 会計・財務・経営企画・FASなどの会計ファイナンス人材が対象 | 会計分野でのキャリアアップも視野に入れる人 | 筆者の希望に比較的近い求人を提案してもらえた |
| SACT | 公認会計士・税理士・USCPAなどの士業・会計人材に特化 | 監査法人や会計プロフェッショナル領域を目指す人 | 筆者の利用時にはBig4・監査法人関連の選択肢に強みを感じた |
| レックスアドバイザーズ | 公認会計士・税理士・経理・財務分野に特化 | 会計・税務分野への専門性を重視する人 | 利用量が少ないため、体験だけでの評価は控えたい |
| ジャスネットキャリア | 会計・税務・経理・財務分野に特化 | 事業会社から会計事務所まで幅広く見たい人 | 筆者の利用時には、現状より難易度の高い求人も提示された |
この比較は、サービスの優劣を示すランキングではありません。求人を広く集めたい人と、監査法人への転職を目指す人では、使いやすい転職エージェントが異なります。
- 求人数を重視して、まず1社選ぶならMS-Japan
- 筆者の利用経験で、希望に近い提案が多かったのはCPASSキャリア
- Big4・監査法人などを視野に入れるならSACTも候補
- 会計・税務分野の専門性で選ぶならレックスアドバイザーズ
- 幅広い選択肢を確認するならジャスネットキャリア
ただし、求人提案の内容や連絡のスピードは、サービス名だけで決まるものではありません。担当者や登録時期、希望勤務地などによっても変わるため、最初から1社に絞り込まず、実際の求人と担当者との相性を比較する方が現実的です。
MS-Japan|求人数を重視してまず1社選ぶなら
MS-Japanの特徴
MS-Japanは、経理・財務、人事・総務、法務などの管理部門と、公認会計士・税理士などの士業に特化した転職支援サービスです。
経理・財務だけでなく、経営企画、内部監査、会計事務所・監査法人などの求人も扱っています。公式サイトでも、管理部門・士業領域における求人数の多さを強みとして掲げています。
実際に使った感想と向いている人
筆者がMS-Japanを利用して最も印象に残ったのは、紹介される求人の数が多かったことです。他社では出てこなかった企業やポジションもあり、経理転職の選択肢を広く把握するのに役立ちました。
一方で、求人の幅が広い分、筆者の希望とは合わない求人も含まれていました。求人の質が一律に低いという意味ではなく、多くの選択肢から自分で優先順位をつける必要があるということです。
MS-Japanは、転職の方向性がまだ完全には固まっていない人、事業会社の経理を中心に幅広く求人を見たい人、財務・経営企画・内部監査も検討したい人に向いています。
面談では、今後経験したい業務、希望する企業規模、年収の下限、働き方などを具体的に伝えると、求人を整理しやすくなります。方向性が曖昧な場合でも、「やりたくない仕事」や「避けたい職場環境」だけは整理しておくとよいでしょう。
CPASSキャリア|会計分野でのキャリアを深めたい人に
CPASSキャリアの特徴
CPASSキャリアは、会計・ファイナンス人材に特化した転職エージェントです。
対象領域には、経理・財務のほか、公認会計士、税理士、USCPA、CFO・CAO、FAS、コンサルティング、内部監査、経営企画、IRなどが含まれています。会計士資格者だけを対象とするサービスではなく、経理経験者や簿記学習者も支援対象です。
実際に使った感想と向いている人
筆者が利用した際には、これまでの経験や今後の方向性を踏まえ、希望に比較的近い求人を提案してもらえた印象があります。
一方、提示された求人の頭数そのものは、筆者の利用時点ではMS-Japanほど多くありませんでした。これはサービス全体のマッチング精度や求人数を断定するものではなく、あくまで筆者が利用した時期と条件での体験です。
経理経験を軸にキャリアアップしたい人や、将来的に経営企画、FAS、CFO候補なども検討したい人にとって候補になります。筆者としては、MS-Japanで求人市場を広く見ながら、CPASSキャリアからの提案と比較する使い方がしやすいと感じました。
SACT|監査法人・会計プロフェッショナル領域を目指す人に
SACTの特徴
SACTは、税理士、公認会計士、USCPAなどの士業に特化した転職エージェントです。
公認会計士向けサービスでは、監査法人、会計事務所、コンサルティング会社、事業会社の経理・財務系職種を取り扱っています。事業会社の経理求人だけを幅広く探すというより、資格や会計分野の専門性を生かしたキャリアを検討する人向けのサービスです。
実際に使った感想と向いている人
筆者が利用した際には、Big4・監査法人関連の選択肢に強みがありそうだと感じました。ただし、これは筆者が紹介を受けた範囲での印象であり、SACTが常にBig4に強いと断定するものではありません。
公式サイトでは、監査法人、会計事務所、コンサルティング会社、事業会社という求人領域が示されています。公認会計士・税理士・USCPAなどの資格を生かしたい人や、財務アドバイザリー、会計コンサルティングに関心がある人は、相談先の候補にできます。
事業会社の一般的な経理求人を数多く比較したい場合は、MS-Japanなども併用した方が選択肢を広げやすいでしょう。また、経歴や資格によって紹介可能な求人が異なるため、登録時に自分が支援対象になるか確認することをおすすめします。
レックスアドバイザーズ|会計・税務分野の専門性を重視する人に
レックスアドバイザーズの特徴
レックスアドバイザーズは、公認会計士、税理士、経理・財務分野に特化した転職エージェントです。
公式情報では、事業会社の経理・財務に加え、会計事務所・税理士法人、監査法人、財務系コンサルティングファーム、経営企画や内部監査などの管理部門を対象としています。一般的な事業会社の経理から、会計・税務の専門職まで扱っている点が特徴です。
向いている人と利用経験の補足
経理・財務の経験を生かしたい人、会計事務所・税理士法人・監査法人も検討している人、事業会社と専門ファームを比較したい人に向いています。
筆者もレックスアドバイザーズを利用していますが、他社と比べて利用量は多くありません。そのため、求人のマッチ度や担当者の対応について、筆者自身の体験だけから評価するのは難しいと考えています。
本記事では、公式情報から確認できる会計・税務・経理・財務分野への専門性を中心に紹介しています。自分に合うかどうかは、実際の面談や紹介求人を見たうえで判断するのがよいでしょう。
ジャスネットキャリア|幅広く求人を見たい人に
ジャスネットキャリアの特徴
ジャスネットキャリアは、会計、税務、経理・財務分野に特化した転職支援サービスです。
事業会社の経理だけでなく、監査法人、税理士法人、会計事務所、コンサルティング会社なども扱っています。資格についても、公認会計士、税理士、USCPA、簿記など幅広い検索項目が用意されています。
実際に使った感想と向いている人
筆者が利用した際には、求人を比較的広めに提示してもらった印象があります。当時の筆者の経験から見るとレベルが高く、チャレンジングに感じる求人も含まれていました。
これは、ジャスネットキャリアでは常に難易度の高い求人が多いという意味ではありません。筆者の経歴や希望条件、利用時期に対して行われた提案についての感想です。
事業会社から会計事務所まで幅広く見たい人や、自分の経験がどの程度評価されるか確認したい人にとって候補になります。紹介された求人は、「すぐ応募する求人」と「今後の目標にする求人」に分けて見ると整理しやすいでしょう。
また、筆者が利用した際には、回答までやや時間がかかるケースもありました。ただし、連絡のスピードは担当者や時期によって変わるため、サービス全体の特徴として断定できるものではありません。転職を急いでいる場合は、希望する連絡頻度や転職時期を最初の面談で伝えておくとよいでしょう。
経理転職でエージェントを選ぶ4つのポイント
5社を比較するときは、次の4点を確認すると選びやすくなります。
- 経理求人の数:方向性が固まっていない段階では、選択肢の多いエージェントを1社入れておく
- 経理・会計分野への専門性:月次・年次決算、連結決算、開示、税務など、自分の経験を具体的に理解してもらえるか確認する
- 希望とのマッチ度:年収や勤務地だけでなく、次の会社で経験したい業務を伝える
- 担当者との相性:提案理由が明確か、連絡頻度が合うか、応募を必要以上に急かされないかを見る
経理経験の棚卸しには、経理の市場価値を高めるスキル・経験とは?若手が優先したい実務を解説も参考にしてください。
上場企業経理を目指す場合でも、連結決算を経験したいのか、開示業務に携わりたいのかで選ぶ求人は変わります。詳しくは、連結決算経験は転職で評価される?と開示業務経験は転職で評価される?で解説しています。
経理の転職エージェントは2〜3社併用がおすすめ
筆者が5社を利用して強く感じたのは、転職エージェントによって紹介される求人がかなり違うことです。あるエージェントでは紹介されなかった企業が、別のエージェントから出てくることもありました。
また、求人提案の内容やレスポンスは、会社名だけでなく担当者にも左右されます。2〜3社を併用すれば、1人の担当者の意見だけを前提にせず、求人と自分の市場価値を比較できます。
一方、最初から5社すべてに登録すると、面談や連絡が増え、同じ求人の重複や応募経路の管理も難しくなります。まずは2〜3社に絞り、提案内容が合わなければ入れ替える方法が管理しやすいでしょう。
どこに登録するか迷ったときの組み合わせ
方向性が固まっていない人
MS-Japan+CPASSキャリア
MS-Japanで幅広く求人を確認しながら、CPASSキャリアからの提案と比較する組み合わせです。方向性がまだ固まっていない経理経験者なら、筆者はまずMS-Japanを軸にするのが無難だと考えています。
監査法人・会計プロフェッショナル領域を目指す人
SACT+CPASSキャリア、またはSACT+レックスアドバイザーズ
監査法人、FAS、会計コンサルティングなどを視野に入れる場合の組み合わせです。資格や実務経験によって紹介可能な求人は異なるため、面談時に希望領域と経歴を伝えて確認してください。
幅広く可能性を探りたい人
MS-Japan+ジャスネットキャリア
求人の選択肢を広く集め、自分の現在地より難易度の高い求人も含めて可能性を確認したい人向けです。紹介された求人すべてに応募する必要はなく、仕事内容と求められる経験を見て優先順位をつけましょう。
まとめ
経理におすすめの転職エージェントは、単純なランキングでは決められません。
- 求人数を重視してまず1社選ぶならMS-Japan
- 筆者の利用時に希望に近い提案が多かったのはCPASSキャリア
- Big4・監査法人などを目指すならSACTも候補
- 会計・税務分野の専門性を重視するならレックスアドバイザーズ
- 幅広く求人を見たいならジャスネットキャリア
5社を実際に利用して感じたのは、エージェントによって保有求人がかなり違い、求人提案の内容やレスポンスには担当者による差もあるということです。
最初から1社だけに絞るより、目的の異なる2〜3社を併用する方が比較しやすくなります。方向性がまだ固まっていない経理経験者であれば、まずMS-Japanで幅広く求人を確認し、希望するキャリアに合わせてもう1〜2社を加える方法が現実的です。

